射出成形用ノズルにおいて、耐摩耗性・耐食性・長寿命化を両立させることは、成形品質の安定と歩留まり改善に直結する極めて重要なテーマです。一般的にノズル材にはSUS420系ステンレス鋼やHPM38、STAVAX、S-STAR、さらにはSKD61系の熱間工具鋼などが採用されていますが、これらの材料に対する表面硬化処理として広く用いられている窒化処理には、現場で見過ごせない課題が存在しています。

特に問題となるのが「内径部の処理品質」です。ノズルはその構造上、内径部こそが樹脂と直接接触し、摩耗・腐食・焼付きの影響を最も強く受ける部位であるにもかかわらず、多くの窒化処理ではこの内径への均一な硬化層形成が難しいのが実情です。処理ガスの流入やプラズマの到達性、温度分布のばらつきといった要因により、外径に比べて内径の硬化層が浅くなる、あるいは硬度が不足するケースが頻発しています。

こうした課題を補うために、一部では0.3mm程度の深い窒化層を狙った処理が行われることがあります。しかし、この方法には大きな落とし穴があります。窒化処理を過度に進行させることで、表層に脆弱な化合物層、いわゆる「白層」が形成されやすくなります。この白層は一見すると高硬度で優れた層のように見えますが、実際には非常に脆く、成形時の熱応力や摩擦によって微細に剥離してしまう特性を持っています。

この剥離した微細金属片が成形樹脂に混入することで、製品外観不良や異物混入クレームの原因となるだけでなく、品質トラブルとして顧客信頼を損なうリスクも抱えています。さらに問題なのは、白層が剥がれた後の母材表面です。保護層を失った部分は腐食環境にさらされやすく、結果として局所的な腐食進行やピット形成が発生し、ノズル寿命の短命化を招きます。

このような従来窒化処理の課題に対し、リヒト精光グループ/山崎化学エイチ・テイ株式会社が提供するエジソンハード処理は、全く異なるアプローチで解決を図ります。本処理の最大の特長は、「不要な化合物層を生成しない」点にあります。白層を意図的に最小限に抑えつつ、拡散層のみを精密に形成することで、脆性剥離のリスクを根本から排除しています。

また、処理条件の最適化により、約0.1mmという必要十分な硬化層深さであっても、内径・外径ともに均一な硬化を実現します。これにより、従来問題となっていた内径部の硬度不足やばらつきを解消し、ノズル全体としてバランスの取れた耐摩耗性能を発揮します。特に複雑形状や細径ノズルにおいても、安定した処理品質が得られる点は大きな優位性といえるでしょう。

さらに重要なのが耐食性への影響です。エジソンハード処理では、材料本来の耐食性を損なうことなく表面改質を行うため、SUS420系や高耐食鋼の特性を維持したまま長期使用が可能です。白層の剥離に起因する腐食リスクがないため、樹脂成形時のガスや腐食性添加剤に対しても安定した耐久性を発揮します。

結果として、成形品への異物混入防止、ノズルの長寿命化、メンテナンス頻度の低減、さらにはトータルコストの削減といった多くのメリットを同時に実現します。従来の「深く硬くすれば良い」という考え方から、「必要な層を最適に形成する」技術への転換こそが、これからの射出成形用ノズルに求められる品質基準です。

ノズルの内径硬化、白層剥離、腐食トラブルにお悩みであれば、ぜひ一度エジソンハード処理をご検討ください。従来処理では解決できなかった問題に対し、シンプルかつ確実な答えをご提供いたします。

また、今後もトピックにて実際にエジソンハード処理による対策事例などもご紹介させていただきます。

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