― 寸法精度と耐食性を両立させるために ―

プラスチック金型用部品では、熱処理後の寸法精度管理が製品品質を大きく左右します。特にステンレス鋼製の金型部品は、耐食性・鏡面性・耐摩耗性が求められる一方で、焼入れ・焼戻し条件を誤ると変形や耐食性低下といったトラブルにつながります。

当社では、プラスチック金型用途に適したマルテンサイト系ステンレス鋼の特性を熟知した熱処理を行い、寸法精度と性能を両立させてきました。


プラスチック金型に使われるJISマルテンサイト系ステンレス鋼

JIS規格におけるマルテンサイト系ステンレス鋼の中でも、プラスチック金型用として実績の多い鋼種には以下があります。

これらの鋼種は、焼入れによって高硬度を得られると同時に、一般炭素鋼と比較して一定の耐食性を持つことから、樹脂ガス・湿気・冷却水環境にさらされるプラスチック金型に多用されています。

特にSUS420J2は、鏡面研磨性と硬度バランスに優れ、成形品外観を重視する金型で広く使用されています。


焼き戻し温度によって低下するステンレス鋼の耐食性と靱性

マルテンサイト系ステンレス鋼の熱処理で注意すべきポイントが、焼き戻し温度による耐食性と靱性低下です。

一般的に、約450~550℃付近の焼き戻し温度域では、鋼中のクロムが炭化物として析出しやすくなります。
この現象により、

 

 

といった状態が発生します。
プラスチック金型では、成形中に発生するガスや水分によって点錆・腐食斑が生じやすく、この焼き戻し温度域を不用意に選択すると、使用初期からトラブルになるケースも少なくありません。


寸法精度を左右するのは「焼入れ~焼戻しの管理」

プラスチック金型では、±数ミクロン単位の寸法精度が要求されることも珍しくありません。
マルテンサイト系ステンレス鋼は焼入れ時の体積変化が大きく、

  • 加熱速度
  • 冷却条件
  • サブゼロ処理の有無
  • 焼戻し回数と温度

これらの組み合わせによって、変形量や寸法安定性が大きく変わります。

当社では、鋼種ごとの特性を踏まえた熱処理条件を設定し、
「硬度を出す」だけでなく
金型として使える寸法精度で仕上げる」ことを重視しています。


プラスチック金型用ステンレス鋼の熱処理は当社にお任せください

当社は、長年にわたり金型用ステンレス鋼の熱処理実績を積み重ねてきました。
JISマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS420J2、SUS420J1、SUS420F、SUS431、SUS440C、SUS440B、SUS440A)それぞれに最適な焼入れ・焼戻し条件を把握し、

  • 寸法変化を最小限に抑えた熱処理
  • 耐食性を損なわない焼戻し温度管理
  • 研磨・仕上げを前提とした安定した品質

をご提供しています。

プラスチック金型用ステンレス鋼の STAVAX HPM38 S-STAR の熱処理で
「変形に悩んでいる」
「錆や腐食が出て困っている」
「熱処理後の安定性を重視したい」

そのような課題をお持ちでしたら、ぜひ一度、当社にご相談ください。

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